Vol14時が流れても変わらない笑顔。今回は刺激的な「硫黄の湯」へ!
今回も楽しかった山川温泉、忍び寄る膝の痛み
嬉野温泉の旅からあっという間に月日は流れ、気づけば12月。
米寿を迎えた伯母の体調は良さそうで、食欲も旺盛です。
伯母の家に泊まりに行くと、母(伯母にとっての妹)の話を含め、思い出話に花が咲きました。
それもそのはず。母方の親戚が集まる機会(そのほとんどが法事や葬儀ですが)には、いつも私と伯母で出席し、親戚みんなと笑顔で「近況」を語り合ってきた間柄です。だからこそ一方通行にならず、双方向で会話が弾みます。
部屋ではエアコン、こたつ、そして石油ストーブをフル稼働。時々窓を開けて換気をしながら、深夜近くまで語り合いました。
「さぁ、そろそろ寝ましょうか」と言ってから実際に布団に入るまで、30分はかかってしまうほどです。
そんな語らいの終盤、「米寿のお祝いの『追加』として、また温泉に行こうか!」という話になりました。伯母も二つ返事で大賛成。
「これまでは美肌の湯シリーズだったから、今度はちょっと雰囲気を変えて、刺激的な硫黄の香りがする温泉に年明け行ってみるのはどう?」
すると妻が「山川温泉なんてどうかしら?」と提案してくれました。
ただ、あそこは山の中。冬場の雪の心配だけはしておかないといけません。
## 娘の提案で決まった「猪鍋」の宿と、待ち遠しい春の訪れ
福岡の自宅に帰り娘と話をすると、「『旅館 四つ葉』がいい!」と言います。特に「猪鍋(ぼたん鍋)」を食べてみたいとのこと。
伯母に話すと、「猪ねぇ……?」と、あまり乗り気ではなさそうな表情。
「案外旨いかもしれんよ!」となだめつつ、年が明けてから宿に電話を入れてみました。
スタッフの方から「雪の心配がなくなるのは3月下旬頃ですね」と教えていただいたので、さっそく3月下旬に4人分の予約を入れました。
## 湯の花舞う「キズの山川」へ!名物料理と硫黄の香りに包まれて
さて、待ちに待った温泉旅行の日がやってきました。
今回の目的地である山川温泉(熊本県小国町)は、標高約700〜800mの山間部に位置するため、冬場は厳しい寒さと積雪に見舞われる地域です。
豊富な湯の花による白濁したお湯、「キズの山川」と呼ばれるすぐれた効能、そして静かな自然環境が魅力のひなびた温泉地です。
宿に到着すると、スタッフの方が心配そうに声をかけてくれました。
「お母様はおいくつですか? お部屋(寝室)は2階で、お風呂は1階になりますが、階段は大丈夫でしょうか……?」
「はい、もうすぐ89歳になりますが、階段の昇り降りは大丈夫です。毎日自宅でも、洗濯物を干したり取り込んだりする時に階段を使っていますから!」
そうお答えして部屋の鍵を受け取り、さっそく夕食前に一風呂浴びることにしました。
お風呂場に足を踏み入れると――
「うわぁ〜、すごい硫黄の匂い!」
刺激的で、どこか懐かしい「ムトーハップ(※)」を思い出させる香りです。
(※)ムトーハップ(六一〇ハップ)とは?
武藤鉦製薬がかつて製造・販売していた、強い硫黄の香りと乳白色のにごり湯が特徴の薬用入浴剤。あせもや湿疹、神経痛などに高い効能があり長年愛されていましたが、酸性洗剤等との混用による事故・事件が相次ぎ、残念ながら2008年に販売自粛(製造・販売終了)となりました。
「硫黄の温泉は地球のマグマを感じさせるね。お湯もちょっと熱めかな?」
4人とも、きっと同じような感慨を抱いていたと思います。
そして、楽しみにしていた夕食の時間。
娘が熱望していたぼたん鍋をはじめ、地鶏、川魚、高原野菜の天ぷら……どれも本当に美味しかったです!
今回の温泉旅行も大満足で幕を閉じました。
――しかし。
平穏で楽しい温泉旅行は、今回を機に終わりへと向かっていくのでした。
次回は、突然訪れた「伯母の膝の痛み」についてお話しします。