Vol4伯母と行く初めての温泉一泊旅行。霧島で出会った特別な景色

旅行人山荘(霧島)へ

## 日常から一歩踏み出して

 月に1度の伯母の家への訪問は、特に問題もなく順調に続いていました。そんなある夜のこと、テレビで旅番組を観ていて、ふと気づいたのです。

 「そういえば、伯母とは日帰りのドライブはあっても、泊まりがけのお出かけはしたことがなかったな」

 伯母はまだ足腰もしっかりしているし、1泊2日なら体調面への負担もそこまで心配いりません。それに、私自身も日頃の仕事のストレスを発散したいタイミングでした。

 「みんなで温泉に入って、美味しいものを食べて、のんびりリラックスしよう!」

 そう思い立ち、さっそく伯母に提案してみると、満更でもない様子で嬉しそうに乗り気になってくれました。季節は2011年のちょうど、秋の始まりを迎えた頃でした。

## 鹿が覗くかもしれない?温泉宿「旅行人山荘」へ

「それじゃあ、どこに行こうか」

 色々と検討した末に決めたのは、霧島にある**「旅行人山荘」**でした。

 お値段も当時としては手頃なうえに、館内の大浴場だけでなく、建物から少し歩いた先にある離れの露天風呂が魅力的だったのです。宿泊者限定で時間を区切って貸切にできるとのこと。さらに、「運が良ければ、たまに野生の鹿が覗きに来るかもしれない」というワクワクするような情報も添えられていました。

 そうと決まれば行動は早く、すぐに日程を調整して予約を入れました。

## 本当に現れた!貸切露天風呂でのサプライズ

 旅行当日はお天気にも恵まれ、ドライブもスムーズに霧島へと入りました。

 宿に到着し、夕食の前に予約していた貸切露天風呂へと向かいます。3人で案内板を頼りに進んだ先、森の中にこぢんまりとした風情あるお風呂が現れました。

 お湯の温度はちょうどよく、3人で湯船に浸かって「ふぅ」と一息ついた、その時です。

 ふと、何かに見られているような気配を感じました。

視線を向けると――。

​「うわっ、本当に鹿がいる!」

 なんと、本当に野生の鹿が姿を現し、こちらをじっと見つめていたのです。本物の鹿に見守られながら入る温泉は、とても新鮮で贅沢な体験でした。

## 忘れられない、伯母の嬉しそうな笑顔

 温泉でさっぱりした後は、待ちに待った夕食です。私はビールを片手に、美味しい料理の数々に舌鼓を打ちました。もちろん、夜には館内の温泉も心ゆくまで堪能。心地よい疲れとともにぐっすりと眠りにつきました。

 翌朝、美味しい朝食をいただいてからお土産を選び、思い出の詰まった旅行人山荘を後にしました。

 日常とは少し違う、伯母の生き生きとした表情が見られたことが何よりも嬉しく、心に残っています。

 

 伯母の家に送り届けると、伯母は「お世話になりました。楽しかった〜、また行きましょうね」と、本当に嬉しそうに喜んでくれました。心から計画してよかったと思える、特別なひとときになりました。

 

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