Vol7伯母の眼科受診で知った「緑内障」の恐怖と、私たちが得た教訓
満員の待合室と、予想以上の大病
伯母とステーキを食べに行ってから、ひと月ほど経った頃のことです。
紹介状がなかったこともあり、福岡の「林眼科病院」の新規予約はなかなか取れませんでしたが、なんとか予約を済ませ、伯母を車に乗せて病院へ向かいました。
到着すると、駐車場はほぼ満車。かろうじて空いていた1台分に車を止め、ゆっくりと伯母の手を引いて院内へ入りました。
驚いたのは、座る場所もないほどの混雑ぶりです。大病院とはいえ、患者さん同士の隙間がないほど席が埋まっています。私たちがキョロキョロしていると、係の方が「初診ですか?」と声をかけて案内してくれました。
無事に受付を済ませ、視力や視野、眼圧などの検査を終えたものの、診察室の前でも順番は遥か彼方。相当な時間を待った後、ようやく私と妻、そして伯母の3人で診察室へと案内されました。
### 医師からの宣告と、募る後悔
診察室で私たちを迎えてくれたのは、院長先生と看護師さんでした。
身を硬くして待つ私たちに、先生は淡々と告げました。
「白内障と緑内障です。白内障は手術で改善できますが、緑内障は手術をしても視野が回復することはありません。目薬でこれ以上悪くならないように防ぐことになります。白内障については、片方は角膜を移植したほうが良いでしょう。手術自体は2日ほどですが、ご高齢なので3日でしょうか。どうされますか?」
一瞬、妻と顔を見合わせ、私たちは「お任せします。よろしくお願いいたします」と答えました。
緑内障と白内障――。
「もっと早く連れてくればよかった」という後悔が押し寄せました。しかし、伯母から体調の異変を聞いていたわけでもなく、こちらから詳しく尋ねることもしていませんでした。それでも、「このまま放置しなくて本当に良かった」という思いが交錯します。
角膜移植の準備が必要なため、手術は少し先になるとのこと。慌ただしく会計を済ませ、帰路につきました。
帰宅後、伯母からの質問に上手く答えられなかった私は、すぐにネットで「緑内障」について調べました。そこに書かれていたのは**「放置すれば失明に至る」**という恐ろしい事実。それを伯母にも伝え、「早く病院に連れて行って本当に良かったね」と、3人で心から胸をなで下ろしました。
### 手術当日、そして驚くほど元気な退院
それから約3週間後、夏真っ盛りの平日に手術の予約が取れました。
私は仕事だったため付き添いを妻に任せ、夕方に「無事に終わった」との連絡を受けてお見舞いへと向かいました。
病室へ入ると、伯母はニコニコしていました。「痛かった?」と聞くと、「うーん、触られているのは分かったけど、痛くはなかったよ」と、こちらの心配をよそにケロリとしています。部分麻酔だったおかげもあるのでしょうが、まずは一安心です。
そして3日後、無事に退院の日を迎えました。
手術後の通院もあったので、私の自宅で22週間程ゆっくり静養してもらいました。ひと月位は居てもらおうと思っていた矢先、伯母は「明日帰るよ!」と元気に言い出します。「明日は仕事だから、明後日の休みに送るね」と伝えると、納得してくれました。やはり、熊本の自宅が1番いいんだなと思いつつ、出来るだけ、普段熊本では作らない(食べないもの)≒(とんかつ、ビーフシチュー、カレー、お蕎麦、デザート等)を食事で出して貰うよう妻にお願いし、何でも美味しく食べて貰いました。
これから何度も、あるいはずっと福岡に通うことになるかもしれない。そんな予感を抱きながら、翌々日、伯母を自宅まで送り届けました。
### 今回の経験で学んだこと
今回の受診を通して、私は緑内障という病気の怖さを知りました。
- 自覚症状がない: 初期はほぼ気づかない。症状が進んで視野が狭くなっても、片方の目が補完し、脳が補正してしまうため、多くの人が見過ごしてしまう。
- 完治はしない: 悪くなった視野は戻らない。薬で進行を遅らせることしかできない。
- カギは眼圧: 眼圧が高い人は要注意。
40代を過ぎたら、健康診断の項目に「眼圧検査」が入っているかを必ず確認するべきだと痛感しました。この教訓を、自分自身はもちろん、家族や周りの大切な人たちにも共有していきたいと思っています。